秋みぞれ
st

寒いから
嫌だといったのに

晴れた日は
まぶしくて

きれいには
見えないよ

という
きみの一言で

傘をさしての
もみじ狩り


秋雨の
生地に織りこまれた

みぞれ模様の
冬の糸

生き生きと
極彩色に姿を変えて

色とりどりの
もみじ葉は

落葉前の水を飲む


やがて冷たい木枯らしが
玉雪を連れて吹きわたり

くもり空を真っ白に
どこまでも深く
染めてゆく


生き物たちは
せわしなく
冬支度を急ぎ


山々は銀色に入れ替わる





自由詩 秋みぞれ Copyright st 2020-10-26 04:10:56
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