その内全て
こたきひろし

子供の頃から夢だった
階段のある家に棲んでいる。

夫婦の寝室は二階にあった。
ある日
娘に言われた、
 お父さんとお母さん夜中にウルサイよ
 二人共いい年してさキモいよ
最初、何の事か解らなかったら、夫婦は共にキョトンとしてしまった。
その内に思い当たって、サッと血が引いた。
 ごめん、と俺はあやまってしまった。そしてもうしないよ、と答えてしまった。
俺は嫁の方を見た。何でよ?と言う目をしていた。
仕方ないだろそうするしか。と言う顔色で俺は嫁を見た。

それからは、お父さんとお母さんは夜中に静かにするように、していた。
あたしは隣の部屋で、それが始まる度に布団を被りなからも、反面聞き耳を立てていた。

何でよ?
卑猥になってしまうの?あたしの体も。


自由詩 その内全て Copyright こたきひろし 2020-10-22 07:05:07
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