現〇夢
ひだかたけし
小刻みに震えながら重い足取りで進む俺
どこまでも灰色に広がる地平が
奇妙な高揚感を誘う
不意に吹き抜ける強風に
踊り出す手足はてんでばらばら
関節の軋む音 辺りに響き
俺は自分が薄い膜の内に居るようだと思う
リアリティが乏しく自らの意識が浮遊しているようなのだ
夢のなかでも繰り返される己の普段の現実感
俺は絶望的に陶然となり
額を銃で撃ち抜こうとする
どこまでも浮き上がるように灰色に広がる地平を前に
これが夢なのだと気付きながら尚いっそう
自由詩
現〇夢
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ひだかたけし
2020-10-18 00:49:38