幸福のリスクとデメリット
こたきひろし

家庭を持って
家族が二人から四人になって

家を持って
車に乗って
可愛い猫を飼って

それでも
それでも
それでも

しあわせを100%迄
感じる事のない私は
何かが何かが
元々
欠落してるのかも知れません

たとえ
100%のしあわせに一度や二度位は到達したとしても
人は直ぐに慣れてしまい
その内に厭きてしまうんだと

いつも冷めた気持ちで分析解読してしまうような私には
道理で

100%のしあわせなんて手に入らない
筈だわ

もし
幸福を正確に計るレベルゲージがあったとしても
その上限と下限の位置は人それぞれだと思います

上限いっぱいに達した人も
いずれ下がるだろうし

上限と下限の間にあれば
それでいいと諦める人もいますし

ああ 何だろよくわからない。
色々考え過ぎて
前方が霞んで見づらくなってしまうんだ

私にはねじれ曲がった方向しかつかめないのかな

ああめんどくさい
どうせなら脆くて壊れやすい幸福なんて
いらないよ

今のまんまこのまんま
不幸を抱えて生きて行こう

その方が悩まなくて済む
下手に100%を手に入れてしまったら

ふたたび不幸のどん底に堕ちたら
到底立ち向かえなくなるに違いないから

きっと
這い上がれなくなるから


自由詩 幸福のリスクとデメリット Copyright こたきひろし 2020-10-16 05:33:06
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