鉄の歩
道草次郎
痰だ
まわりで乱舞して
ひとしきりはしゃいだやつらは去った
残飯のような
おれは
ひとり
路上に座学
汚辱のイメィジで
手を淨める
咳き込む たびに
薔薇を
否定して
おれは
ざらついた界面に
接地する棒
のような物
根の生やし方を忘れた
脚を
路傍の茅で なぶる
軽いものは つくづく
上昇せよ
沈着物の荒野へ
おれは
鉄の
歩を出す
自由詩
鉄の歩
Copyright
道草次郎
2020-10-15 10:17:15