復讐劇
無限上昇のカノン

心も身体も薄ら寒い
まだ、10月も半ばだというのに
秋の長雨はやむことを知らず
晴れの日は忘れ去られた
傘をさすのは好きじゃないから
濡れそぼって歩こう
この道は闇へと続いている

明るい世界をもう1度歩いてみたかった
それでも行くは修羅の道
冷たい雨が体力を奪い
変死体となって発見される
私がいなくなっても
誰も困らない
誰も泣かない
この道は闇へと続いている

優しさの欠片もないその人は
責めている自覚もないままに
言葉と態度で私を貫く
私は静かに消えていこう
それが最大の復讐になるから


自由詩 復讐劇 Copyright 無限上昇のカノン 2020-10-15 09:25:48
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