名残り行
板谷みきょう

医者を待つ君の横でボクは 時計を気にしてる
都会外れの山奥の田舎で
この町で見る汽車もこれで最後ねと
ローカル線廃止の時 言ったね
過疎地を離れ出ていく医者は
疲れて病んだ人を置き去り
今どこまでも続く線路はサビ付き
去年よりずっと赤色にサビ付き

都会では病院の乱立で しのぎの削り合い
儲ける為の手段を選ばず
ローカル線廃止と医者離れは関係ないと
言われるのが怖くて下を向いてた
名残り惜しむ年寄り残し
引かれる思い持たぬ医者は
今 金儲けの為に初心を忘れ
去年よりもっと田舎を離れ

医者は出ていく線路は残る
寂れ果てた商店街は
今 大いなる自然の恵みを犠牲に
観光開発に望みを託す
リゾート開発に望みを託す

名残り行/板谷みきょう
https://www.youtube.com/watch?v=g0IzjyqaHMU


自由詩 名残り行 Copyright 板谷みきょう 2020-10-15 07:59:01
notebook Home 戻る
この文書は以下の文書グループに登録されています。
弾き語る歌(うた)の詩(うた)