秋の詩片
梅昆布茶
音楽を聴く分析学的な時間が好き
きみと過ごす解析学的な時間
深く沈潜してゆく愛情にも似た雪のよう
罵られる騾馬のように時間が過ぎていっても
愛撫する隙もないきみと暮らしているぼくは
無聊をかこちそれでもはてしない時間を夢見る
かつて遠い戦さがあって詩人が沢山死んだ時から
詩はみずから立ち上がって歩きはじめたのかもしれない
12月の曲がり角はちょっと先にあって詩人をいざない
今月の支払いに困窮しているぼくは詩人に似ていると
10月の詩人はいつも寂しい
11月には借りを返そうかと思っても
すぐに新年が来てしまうので
ちょっとした賀詞を用意していても
友人は遠のき妻は咳き僕は曲がった臍の
隣で詩でも描いていようかと思うのです
自由詩
秋の詩片
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梅昆布茶
2020-10-05 23:32:20