秋の心
風の化身

音のない祭りのような
秋の懐に手を伸ばすと

秋は
私に泣けという
笑えという

成熟した色香を肴にして
酔えという
踊れという

秋は
物詫びた儚さを詠う
孤独を背負った
寡黙な詩人

冷たい風に
諭すように
散り際の美学について
切々と語り始める

秋の心
何時しか
私となりて
深く悲しく色付いて行く



自由詩 秋の心 Copyright 風の化身 2020-10-03 20:28:27
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