下手くそ野郎
こたきひろし

下手くそ野郎
と、内心思っていても 女は嘘付く
演技するんだよね

女はその体の構造上
男には受け身だからさ

男の気持ちを思いやって、傷付けまいとしてさ

だけどさ
女の気持ちが優しいうちはいいけれどさ
その内に相手の気持ちより自分を優先する時はきっと来るだろう
 あたしこのままでは女の満足得られない 男は勝手にイッテ果てるだけなんて許せない

ある夜にじれったくなって遂に切れてしまった
下手くそ野郎!って

それから今までの思いを躊躇いなくまくしたてる
男はそれを聞かされて、いっぺんに戦意喪失 萎えてしまった
今にも泣きそうな顔になったから
女は急に可哀想になって
 ごめんね
と一言謝った

二人の間に気まずい空気が流れてしまい
それから背中を向け合ってしまった

思い出したくない
あの一夜からセックスレスになってしまった

それでもね
普段は普通に会話して
普通に接している

それは別に珍しくない
よく有るパターンらしい

それから先の夫婦生活が今も続いている

今更別れられないから




自由詩 下手くそ野郎 Copyright こたきひろし 2020-09-26 10:08:32
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