潮時と業の華
道草次郎

し終えられた
空はない
着手しようにもみえない
何が?
突堤が
三角帽もだ

朝の汽笛ながれてきえて
アクアマリンのトマト潰れて咲いて

発端と終焉は
からめられ
砂のつまった湖に
どうやら
眠っているよ

悶え打つ二匹の毒蛇のことは
忘れなさい
そしてほら
略式図には夏とアスファルトが
電信柱の事は
あま
穢さぬように

輪っかとして
しかもう
惑星は売られないと小耳に…
宇宙は今
頬づえを探している
所らしい

そうだよ
これが実力だ
石ころ一つ動かせやしない
モノクロの玉虫に
無言の
はなむけ
それは
銃撃



自由詩 潮時と業の華 Copyright 道草次郎 2020-09-19 13:06:39
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