海と比喩
道草次郎
どちらか
からの
黙らせる
海嘯
(
かいしょう
)
それがあり
その後に
ながい
沈黙がおりる
匿
(
かくま
)
われる
月夜に
ひたひたと
寄せる
波
堪えきれず
たくし上げてしまう
暗幕の先に
まぶしくもないのに
目を細めてしまう
鱏
(
えい
)
がいる
比喩による
縫合が
運命なのは
そんな瞬間を
泡の数だけ
抱える
から
類語の
海原のどこにも
糸や針
毒クラゲでさえ
きっと
見つかりは
しない
自由詩
海と比喩
Copyright
道草次郎
2020-09-16 06:28:44
縦