夜に浮かぶ
木葉 揺
体が浮かんでる
こんなに自分は
軽かったのか
見えるのは紺色の空
月が暗い海面に
飲み込まれてゆく
(なぜ)
次第に面積を小さくして
やがて頭まで海にのまれた
かえせ
私の月
初めて月に寄り添ったのだ
月も私に
持てる限りの光を
注いでくれた
真夜中一人
海に浮かんだ私にとって
たった一つの大切なもの
かえせ
私は一人じゃない
その証明がいるんだ
私も一緒に
優しい闇に溶けるはずが
どうしようもなく
存在として浮かんでいる
自由詩
夜に浮かぶ
Copyright
木葉 揺
2020-09-15 23:46:35