裏庭
もちはる
ひっそりとした
裏庭を
歩く
真昼でさえ
陽の届かない所で
苔は石垣にへばり付き
雪の下はそこここに生え
南天や藪柑子は上へ伸びる
そして
辺りを地の神が見張っている
冷え冷えと
昔からの掟は
挫けてはならない
僻んではならない
生き抜かねばならない
きりっと風が吹く
陰でも
根付くものたちが
生き生きとうたっている
自由詩
裏庭
Copyright
もちはる
2020-09-10 19:58:19
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