Childhood's End
46U
月が傾く音がして、
ぼくはぽっかり目をあけた。
カーテンごしに見えるのは、
ボタンみたいなお月さま。
瑠璃と茜の縫い糸で、
びろうど夜空にとじてある。
きっとお仕事したひとは、
てさきの器用なめがみさま。
ぼくはぼんやり不思議に思う、
とじてあっては動けない。
だったらあの音なんだろう、
月が傾くような音。
びろうど夜空をしゅるしゅると、
西へひっぱる音だろか。
星がぱらぱら落ちてくる、
パンくずみたいなお星さま。
ぼくは窓から手をだして、
星のかけらを受けてみた。
ひとつかじってみたけれど、
あんまり甘くはなかったな。
ぼくはすっかり目が覚めて、
よるの終わりをながめてた。
ぼくはおおきく息を吸い、
この世の終わりをおもってた。
自由詩
Childhood's End
Copyright
46U
2020-09-07 12:00:55
縦