恵みが災いの雨に変わる事の有るセカイに
こたきひろし

この世界に雨が降るから傘をさすのであって
傘をさすために雨が降るんじゃないからさ

冬の冷たい雨
春の暖かい雨
夏の夕立
秋の台風

雨が降るから傘が必要なのさ
傘の為に雨は降らない

でも
私は何事にも発想を逆転させるのが好き

この地球は日々正転している
それが普通

だけどその普通に
普通ばかりの世界に
無性に苛立つ事がある

まるで勃発した戦争みたいに
私は私の中で殺戮が始まる

勢い世界が反転しだして
その速度に追いつかずに
地球が壊れてしまう
私の妄想の中で

折から
巨大台風が近づいていた
その恐怖にしがみついて
不安をふり払えない私がいた

だけど
台風の進路から私は離れてはいた

ハッピィーとはそんなものだ



自由詩 恵みが災いの雨に変わる事の有るセカイに Copyright こたきひろし 2020-09-05 08:04:26
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