対話へ
道草次郎

世界はやさしい
世界はぼくが
ウィトゲンシュタイン
でなくとも
無関心でいてくれる
夜毎
カタバミの実を
弾けさせては
北極星を
指でつまみ
あますところなく犇めきさせては
鯨に足を生やすのに
いそいそと
夢中だからだろうか

昨晩
眠れずに
そんなことをかんがえた

そんなぼくを
きょうのぼくが
世界の椅子に
座らせる
お茶を汲んできて
胸ぐらを掴む

対話を
はじめる時だ


自由詩 対話へ Copyright 道草次郎 2020-08-27 10:01:20
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