道草次郎

ぶっ壊れたのが
ほうられて
くさりながらも
笑ってる

わるいこころが
湧きだして
よごれくすんで
何もかも
消えたくなって
でも
きえず

んなこといや
おこられる
いきたくても
いきれない
人もいるぞと
責められて
うつむくしかなく
なんもいえずに

目には涙
きたない涙
この涙に
かちは無く
もはや自分は
意味もなし
もはや自分は
ごくつぶし

んなこと分かってる
でも踏み切れぬ
度し難さ
おろかを引きずる
生き物の
ヌメヌメぐちゃぐちゃ
生き地獄

しねよはやくと
しねよさっさと
お前など
いなくなれよと
囁きが_____


こんなマイナス
なんになる
はたのメイワク
知りもせず
行き着く先も
見えぬまま
ふたたび朝の
到来で
この到来を
絶望と
言ってしまえば
それはそう

けれども
けれども
泣かないで

救われるでなく
呪われるでなく
打ち続く
この平板で
おそろしく
白けたら海に
舟ひとつ
ちゃぷんと浮かんで
いるだもの

それは
まことに
そうなのだ
それのまことは
まことゆえ
息も絶えだえ
漕ぎいだす
舟の
勇気は
なにゆえか

ゆえなきものの
かなしみの
姿を見ては
泣きぬれた
月は
だからあんなに
白いんだ
だからあんなに
やさしんだ

まことを
まことに
なぞるしか
なすすべなしと
いうような
月の涙を
今朝もまた
なすすべなしに
浴びている

あなたは
もはや
櫂なのだ
痛々しくも


なのだ






Gさんに


自由詩Copyright 道草次郎 2020-08-20 11:01:29
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