殺人兵器 猛暑
こたきひろし
空になった麦酒の樽が火傷する位に熱くなってる
アサヒビールも麒麟もサントリーもサッポロも
あっ企業名書いてしまったよ
まったくもってけしからんな
スーパーやドラッグストアやお酒の一般店から
回収されてくる空き樽
そして麦酒のケースに詰まった空き瓶
炭酸やジュースウーロン茶の類いの空き瓶の詰まったケース
そいつらの伝票チェックと片付けに明け暮れる毎日
それが俺様の仕事
他に回収されてくる空きパレットの積み上げと整理整頓
そしてたまった空容器とパレットのメーカー回収の依頼と伝票チェック
その他には倉庫周辺の雑用と清掃
仕事は探したら
探さなくても幾らでもある
それが俺様に与えられてる仕事
もう他には行き場のない老人だから
殺人兵器の猛暑の中でも必死になって
仕事仕事仕事
仕事しなければなりない
容赦ない直射日光
舗装された足下の地面からは
猛烈な照り返し
それはまさに棺の中で一緒に焼かれる気分だ
こんな状況
文章に表してもそれも読まれても
体験しないと分からない
分かる訳がないんだ
熱中症がマジ怖い
ああああ
詩の題材には相応しくないな
まったく持って相応しくないよな
相応しくないよな
それどころか
そんなものに心と頭を占領されて
俺様
マジウザイ