風のおと
千波 一也
朽ちた葉を踏むと
乾いた音がする
傍らに歩くむすこが
聞いて、と
教えてくれる
朽ちた葉を踏むと
風の音がする
今まで気にしなかっただけの
あまりに満ちあふれた
音がする
むすこはいつまで教えてくれるだろう
わたしの聞き逃したものを
見落としたものを
純粋無垢な散歩道には
有難い言葉たちが
たたずんでいる
自由詩
風のおと
Copyright
千波 一也
2020-08-17 19:58:18