こもれび盆
そらの珊瑚

東の国の光が
樹々のさやさやに濾過されて
薄いカーテンにまるく形作られる

あれらは宇宙から帰ってきた魂
風が吹くたび
わずらいから放たれて踊ってみせる

おばあちゃんのことで覚えているのは
千ピースのうち
ほんのわずかで穏やかな数ピースだけ
声と
おばあちゃんになってからの顔
人を形作るにはとても足りないね

ある年
おばあちゃんは迎える人から迎えられる人になり
ある年から
あたしはお帰りなさいと言う人になった


自由詩 こもれび盆 Copyright そらの珊瑚 2020-08-15 13:13:24
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