パープル
星 ゆり
安息日、指先が落ちる八月を
ケムリ、1bitの陽炎と交わる
コール、そこらへんはトイレ
ノック、フライの軌道でセックス
四分割で巡った泡立ちの受精
カンバス、骨を剥くように
ソプラノ、わたしにつく適切
デニーズ、湿るやさしさって
安全日、黙って続いてる
四行程で死んでった風景画の輸血パック
パープル、矯正器具つきの歯で
パープル、スクロールさせる言葉は
パープル、海を止血する幾億の綿
パープル、やっぱり生理日ね
唇だった場所の思い出が
卵割の真ん中、神様がやわらかい
カーヴ、縫い合わせのみちびき
コンビニ、どこでも朝になる
バスルーム、もう朝しかない
六畳、歩き回る痛みを
ドリップ、あなた低く待ちかまえる
クロックス、目のない街並みで
二十一錠、ずっと雨は強くなる
さよなら、優しさとする鉄の味
パープル、
混ぜることしかできないわたしに
パープル、
真っ直ぐ歩く死産児よ