パープル
星 ゆり



安息日、指先が落ちる八月を
ケムリ、1bitの陽炎と交わる
コール、そこらへんはトイレ
ノック、フライの軌道でセックス
四分割で巡った泡立ちの受精


カンバス、骨を剥くように
ソプラノ、わたしにつく適切
デニーズ、湿るやさしさって
安全日、黙って続いてる
四行程で死んでった風景画の輸血パック


パープル、矯正器具つきの歯で
パープル、スクロールさせる言葉は
パープル、海を止血する幾億の綿
パープル、やっぱり生理日ね
唇だった場所の思い出が
卵割の真ん中、神様がやわらかい


カーヴ、縫い合わせのみちびき
コンビニ、どこでも朝になる
バスルーム、もう朝しかない
六畳、歩き回る痛みを
ドリップ、あなた低く待ちかまえる
クロックス、目のない街並みで
二十一錠、ずっと雨は強くなる
さよなら、優しさとする鉄の味
パープル、
混ぜることしかできないわたしに
パープル、
真っ直ぐ歩く死産児よ





自由詩 パープル Copyright 星 ゆり 2020-08-14 17:21:01
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