8月15日
風の化身

何て暑い
茹だるように暑い
今年の暑さは尋常でない

大袈裟ではなく
日なたに出るのは
自殺行為以外の何ものでもない

目を真っ赤にして
血走った太陽の異常さには
鬼気迫るものが有る

ぎらぎらと
刺すように照り付ける
太陽の下

滴り落ちる汗を拭うと
ふと
蘇る記憶が有る

遠い日を見つめて
「あの日もとても暑い日だったよ」と
言葉を振り絞った古老の後ろ姿

忘れてはいけない涙の記憶
日本中が絶望と悲しみに包まれた
暑い日

時が止まってしまった日本の夏

炎天の空に隠された
消える事のない
哀しい歴史


自由詩 8月15日 Copyright 風の化身 2020-08-14 11:15:34
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