記憶1
ひだかたけし

折り重なる記憶の襞が
一枚一枚剥がれ落ちては色褪せ
何の感情も伴わずに
震えている、震えている 
脱力して

欠落はせずに
只々遠く平板になっていくもの

反芻される記憶の渦に
今在る己を重ねては
問い質している

麻痺しているのは何故か、
消失点は何処なのか、と











自由詩 記憶1 Copyright ひだかたけし 2020-08-12 21:46:10
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