Self-portrait

白紙が僕にとっての鏡

黒いペンで繊細な心模様を描く

色の数より多い言葉の数

筆でいくつかの言葉をつついて

構想と言う名のパレットに乗せる

ブルーでブラックな心境の時

僕はきっと暗い夜空の向こうで始まりつつある青白い夜明けを描くだろう

悲しみや憎しみを乗り越え

新しい一日と出会えるように

自画像を描く時は実物より男前に描くのが相場だから

僕は必ず作品の最後に希望を添える

僕の一生が少しでも端正な顔立ちに見えるように


嗚呼 また赤い情熱がまた僕に傷口が流れ出る自身の血液を描かせる

それこそが生きている証で

親から子へ分けられた命の源だから

体の中を循環する生温かい血液は

先祖から子孫に渡された聖火

それを手にしたのだから走りださないわけにはいかない

例えそれが途方もない旅の始まりだったとしても

僕はきっとその旅の先々で白紙を広げ

ペンを手に取って 眼前に広がる風景と自分の内に広がる風景を重ねて描くだろう

他の誰の物でもない
僕自身の心模様をこの世界に残すために

















自由詩 Self-portrait Copyright  2020-08-09 16:58:24
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