荒野
ひだかたけし

剥き出されている

神経は逆立ち
風雨に鳥肌立つ
紅の樹木は激しく波打ち
瞳をくりくりと輝かせた
木登り少女は姿を消した

何にもない、何もない
意味は全て剥奪され
記号だけがひょろひょろと舞い
か細く話し掛ける声の渦

この真昼間、
世界の荒野が
剥き出されている


自由詩 荒野 Copyright ひだかたけし 2020-07-31 15:08:04
notebook Home