「burning,Banksy」
アラガイs


  )サラ ? 目が覚めたのね。 
エシャロットとベーコンのスープを口にしたのは床に寝ついてから二日目の朝だった。
叔母のエミーは料理をテーブルに置くと狭いベットのわきをすり抜けてカーテンを引いた。
透けた窓から部屋の中を明るく照らし出す。輝く陽射しは白い路面をシャーベットに塗り替えていた。
もちろん初雪になった昨晩の雪をサラは知らない。
あの日砂に霞んだ空は真っ赤に燃え、養父でもある叔父が中東で亡くなったという知らせが届いた。
大好きだった写真家の叔父
その数時間後には発熱の症状が出てしまったサラ
あれ以来小さな床に伏せたままずっと眠りについていたのだ。
 ‥ねえ、誰かしらね? 手紙が届いているわ。あなた宛に‥。手の甲の皺は酷く浮き上っていた。
少し怪訝そうな面持ちで、エミーはそのカラフルな封筒をサラの手元に差し出した。
封筒の裏には降り積もるSnow Manの*絵柄と流れ星のハートリングがマーキングされている、
 その不思議な封筒を開けると、中に収まっていた二枚のポストカードをサラは取り出した。

「 Dear Sara! I wish You a Merry Christmas!   with Love  」
‥‥
                                    L+š
    「I get lockdown ,But I get up again .」

                        
                        
                            
                               「BANKSY」




もう一枚のカードには宙を飛ぶ小さな愛らしいネズミの荷車と手綱を引く赤いサンタクロース。
そしてベットに眠る少女のイラストが書き込んであった。
印刷かと思えるような絵柄だったがインクのボカシが擦れていて、これは明らかに手書き(ステンシル)によるカードだった。 
  その終わりには BANKSY の文字が添えられていた。
(?
サラはカードをエミーに見せると、まるで生気を取り戻した人形のように、頬は紅色に染まった。


この出来事は瞬く間にニュースとして世界中に広がったが、送り届けられたというクリスマスカードの所在をサラ本人もいまだに公開はしていない。










This story is fictional.

BANKSY INSTAGRAM より引用




自由詩 「burning,Banksy」 Copyright アラガイs 2020-07-31 03:16:50
notebook Home