悲しみと嘆き
こたきひろし

来る日も来る日も
この苦しみから一日も早く解放されたい
という人の切ない想い

心が体が
ボロボロになって修復が難しくなっても
命の焔をか細く揺らす人は
多々いるに違いない

この社会の底辺に沈みこんで堆積し
もはや水面に上がれなくなった人たち

生きていれば
誰でも生きている事に
悩み苦しまなければならないけれど

その艱難辛苦に
打ち克てなかった人たち
負けてしまった人たち
諦めてしまった人たち

私は果たしてどっちなのか
判断がつかない

だけど
凡そそんな人たちが
おおぜいを占めているに違いないと思うけれど

あやふやな生き方しかできてない

そして老いてしまった私は
このゴールの先に
じっと待ちうけているものに
やんわりと怯えているんだ

来る日も来る日もが
その単純になってしまった日々の連続が
否応なしに
来なくなる日がくることに
逃げ道はないんだと
畏れ悲しみ嘆きながら


自由詩 悲しみと嘆き Copyright こたきひろし 2020-07-23 06:47:27
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