心をシカトして
こたきひろし

心をシカトして
体が一人歩きしてしまう事は誰にでも有るでしょう

心への栄養を疎かにしても
胃袋だけは栄養で浸したがるのが人間の欲求の常ですから

愛情を踏みつけてでも
激しい性の衝動を抑えられるのは容易ではありません

性には生殖という
自分の遺伝子をこの世界につなぎ止め遺したいという力が働くからでしょう

理屈では何も解消されません

脆くて儚い
精神という葦の葉っぱに零れて落ちて
表面に張力を生むのが
心なのかなと
思う私がいます

男女の逢瀬に灯る明かりには
官能の誘い込みがあるのは必然でしょう

あの日あの夜
国道沿いの安いモーテルで
君と初めての交わり

如何なる恋愛も
そこに至る過程に過ぎないのだと
切に思い感じました

けして
安らかには眠れなかった
命の一夜


自由詩 心をシカトして Copyright こたきひろし 2020-07-19 06:38:39
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