愚者たちの国で
もとこ
弱い者を差別し蔑むことで
現実から目を逸らしている彼らも
いつかは自分たちの番が来て
土を掻きむしることになるのです
生きるべき命と消えるべき命
冷たい計算式を根拠に
神のように振る舞う者も
それに賛同する者たちも
何番目かの明日には
自分が廃棄されるという
当たり前のことに気付きません
(だって正視しようとしないから)
21世紀になったこの国で
再び姥捨てをやるつもりなら
私たちはその代償として
人の仮面を外すべきでしょう
そして愚者の国の獣として
飼い慣らされて生きるべきでしょう
人間としての長い歩みを
すべて神に返すというのなら