通り過ぎて
ふるる

風景が通り過ぎて
自転車や
木の葉を揺らす風
水しぶき
金魚の尾
空に浮かぶ無数の帯
風は川底とおんなじに
空を冷たくして
夕焼けはかがり火とおんなじに
そちらを向く顔を照らし

続け

風景が通り過ぎて
雪が激しく降る中
てんてんと足跡が
足跡は消され続け
砂浜の波
貝の螺旋の最後には
天に昇ってゆく梯子があって
天使が腰掛けて
何かを食べている
こぼれ落ちたものは
地上に届く前に

消え

風景が通り過ぎて
風は起こらなかったけれど
髪は流されて
過去の方へ振り向いた
種がてんてんと植えられていて
手をひかれ見ると
未来の方へ向かされて
花がてんてんと咲き

揺れ

続き

消え

風景が通り過ぎて

私はまだここにい続けて

ひどく不思議な午後

続く


自由詩 通り過ぎて Copyright ふるる 2005-04-14 01:00:34
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****印象詩っぽい*****
♪♪♪リズムに注目♪♪♪