不確かな朝
ジム・プリマス

朝は
夜の間に届けられた
天球からの言語を
地球向けに翻訳する
神の不在を嘆くよりは
コロナ禍の方が切実だ
マリア・マッキィが歌うよ
大人の恋の歌
これから俺はどこへ
流れつくんだろう
答えを探して
いっぱい傷ついた
酷い目にもあったけど
まだ諦められない
新しいタバコに火をつけて
現実という
苦いサラダを咀嚼する
アイロニーという香辛料を
たっぷりと放り込んで
人格破綻者のほうが
旗色のいい変な社会
高層ビルがやたらと立ち並ぶ
2020年の都市の風景
まるでフィリップKディックの
サイエンス・フィクションのように
人間性を否定する街
大切なものを
すり減らしながら
継続する世紀
降りかかる悪意を
両手で払いのけて
始める不確かな朝



自由詩 不確かな朝 Copyright ジム・プリマス 2020-07-05 06:07:33
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