ボクサーと燃えたカエル
そらの珊瑚

降り始めたちいさな雨粒を
ひとつひとつ
こぶしで撃っていく

敵のいない闘い
ボクサーのロードワーク

撃ちきれない雨粒のなん粒かは
火の玉になり
眼球の中で
また、道々の砂利のすきまで
一瞬光って
一瞬で消えた

世界のほとんどは不燃性だった
世界のほとんどは不正解だった
尾が取れたばかりのカエルを除いては






自由詩 ボクサーと燃えたカエル Copyright そらの珊瑚 2020-07-04 15:57:29
notebook Home