監獄の朝
ミナト 螢
荷物があれば夢の置き場がなくなる
心が生きる場所は
それほど広くなくて良いから
4畳半に全てを押し込んだ
鉛筆削りを回すと
切り刻んだ景色が朝の真似をして
水色に染まるのを待っている
いつか落とした時間は
監獄の冷たい壁を離れて
でんぐり返しで取り戻しにいく
窓の向こうには何があるのかな
詩にもならない感情を束にした
ほうれん草を茹でて
目玉焼きに添える手間が
この部屋を最初の宇宙にする
自由詩
監獄の朝
Copyright
ミナト 螢
2020-06-21 15:23:56