ねぇ?終わりかたがわからないんだよ。
秋葉竹


なにひとつ考えられなくて
どこまでも砂浜を歩いていた
大空を飛ぶ海鳥が
風に乗って自由な午後にたゆたっていた。

そしてなにより、
照り返しが眩しくて
水平線へと続く青い空と海が揺らめき
世界が白と青の2色になったと
思ってしまったので


ねぇ、どこまで歩けばいいんだろう
終わりかたが、わからないんだよ。


砂浜に半分埋まった
汚れたハーモニカが
それでも銀色に光って
未来の歌を奏でたがっているように見える。


つまらない人生って
嘆く癖が抜けないのは
ただ、段取りがわからないままだから
なのかな?


ねぇ、この光もいつか忘れるのだろうね
傷つかない強さがあればいいんだけどね
忘れてしまった叫びはそれでも

この砂浜にうずめた記憶だけは
忘れずにいさせてほしいと
願ってしまう午後の懈怠とさよならする、
黄昏を迎えるまでは。

でもね、それでも、


ねぇ、終わりかたがわからないんだよ。










自由詩 ねぇ?終わりかたがわからないんだよ。 Copyright 秋葉竹 2020-06-20 21:21:25
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