熊の目
はるな


季節のない部屋で
すごしたくせに
夏のくるたび
手繰られる記憶の
熱はもう遠いが
遠くで燃えている

形なんて
古臭いのに
捨てられなくて
ばからしいよな

熊の目で見る街は
平たくて退屈で
やるせなく
さむいよ

あの部屋の
無音に
膨れるような熱のこと
燃えないなんて
ばからしいよ


自由詩 熊の目 Copyright はるな 2020-06-19 23:00:55
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