エゴ・エリスⅡ 私の愛する方は、 自分の庭、香料の花壇へ 下って行かれました
PAULA0125
八〇一本の 薔薇が咲き
桃色の白百合 花開く
季節はなく 花を愛でる 心一つで
その楽園は 客人を招く
苗木は優しく 土の布団に寝かされ
愛らしい花芽を 待っている
純潔のきゅうこんは 土を被って
対のきゅうこんを 待ちわびる
麗しき恋人に 送るため
花摘む人が 腰下ろす
薔薇の棘は 柔らかく
百合の香りも また柔い
愛しき人よ 貴方を飾る この花は
愛しき人よ 貴方に贈る この花は
愛する心それだけで 育てられました
愛する人よ 貴方を抱きたい
愛する人よ 貴方を守りたい
庇護願う鋏で 揃えた切り口
愛する人よ 貴方がこの花束を抱く
愛する人よ 貴方がこの花束を生ける
その腕に器に 私は倣おう
愛する人よ 月来香は咲く 貴方の為
愛する人よ 氷人達は囁く 貴方の為
愛より少ない花よ 我が愛を護り給え
愛する人よ 貴方に贈る この花を
愛する人よ 私と思って この花を
御伽の国への目印に 枯れない愛を
愛する人よ 愛する人よ
神に愛された 麗しき我が恋人よ
腐臭には 千年木の香りを
嘲弄には あまりりすの耳飾りを
貴方の傍で 咲きますように
私の命で 育てた花に
貴方の心を 慰めさせてください
私に愛された 気高き我が恋人よ
貴方が神の腕の中で 眠る床
そこは私が 蝦夷菊を植えたところ
うきよの全てを忘れて お眠りなさい
朝 太陽が昇ろうと そこは安寧の闇
夜 月が隠れようと 溢れる希望の光
私を愛する 修羅の道行く我が恋人よ
私を送り出してくれた あの花を
もう一度私に大霍香薊の寝台を
その花に託された 花言葉と共に
空を舞い 駆けていこう 愛と共に
そうして我らが 再会した日
その日こそ歓びの日
感謝を歌おう 楽聖と共に
我らの愛を 誰もが歌い
我らの愛を 誰もが祝い
秘跡は我らを 祝福し
あの世の誰よりも 我らは幸い
この世においては 我らはふうふに
いつかこの幸せを あの世の人が
認めることが 出来たなら
誰もが知るだろう 神の愛の深さ
されども人が それを拒むなら
今は神の元でだけ 幸せになろう
そうとも我らは 神の子である
我らは結ばれてから 母の胎に宿る
神はこの婚姻を 待っておられる
自由なる愛を 叶えよう
神がそれを 望んでおられる
異なるものだけでなく
等しきものも 神の愛を讃えよう
誉れ高き 愛を歌おう
何人も冒し得ぬ 愛を叫ぼう
神がそれを 望んでおられる
神よ 祝福したまえ 憐れなる我らを
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叙情詩「エゴ・エリスⅡ」