木の実(改訂)
ひだかたけし

熱風吹く光の午後、
女の子が木に登って
何かを夢中で取っている

何を取っているの?

思わず私がそう問い掛けると
女の子は秘密を見られた顔をして
突然姿を消してしまう

木の下には麦わら帽子が落ちていて
真紅の小さな木の実が無数、
浮き立つように光っている


自由詩 木の実(改訂) Copyright ひだかたけし 2020-06-17 18:53:13
notebook Home 戻る