幻聴
卯月とわ子

セミの声がした
幻聴
まだ早いよね
雨も上がらないのに
君は来ないのに
玄関のチャイムが鳴った気がした
幻聴
駆けだそうとする足を
叱咤する心臓
まだ許してないと動く唇と
触れたくなる指の矛盾

セミの声がした
幻聴


自由詩 幻聴 Copyright 卯月とわ子 2020-06-17 09:23:14
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