エゴ・エリスⅡ 私は 夜 床についても 私の愛している人を探していました
PAULA0125
神よ もしも貴方に 恋したなら
きっと多くの者が 割礼を望み
無地のヴェールと クロスと指輪
そして 三つの誓いを 立てるのです
神よ 私がそれを 望まなかったから
貴方は授けてくれました この人を私に
無垢な瞳と 口吻知らぬ 唇が
そして 齢いくらかの 魂を持っている
貴方の与えたもうた この方は
私には美しすぎて 目映く白い
無情なるは裁き それは自然と人を忘れた
そして 己が法こそ神なりと 憚らぬ
神よ 貴方が私に 愛を与えたなら
きっと多くの者が 私に服を仕立てたがり
装うは 白一色の 晴れ姿
そして三度 私は酒を 口にする
神よ 貴方は私に 与えてくださった
多くの人の 憧れを 受けて輝き
さんざめく賛美が 溺れるような恋が
神と我らに 与えられた この人の胸に
ああ神よ 何故地にも 神を与え給うた
凶ツ星の行く先 我が姿 この池に映る
甘美なる我が神 私の元へ 来た神は
秘跡を持たずして 悦を与え得る
命萌ゆるよう 宇宙拡がるよう 沸く愛は
産声あげる その前から 我が泪へ融けよ
頬を伝って 音を奏でる 「ハレルヤ!」
この歌は 枕辺に沈まぬ 真なる香香背男=かがせお}
如何なものにも 不順=まつろ}わぬ 光の華
一等早く 光り輝く金星なれど
なればこそ穢れぬ 我が天地を繋ぐ柱
神よ 貴方は私に 与えてくださった
我が心根は 渇くことがない
西比利亜の海が 遙かなりし 北の海が
飲み干せるほどの 悲しみに
遭うことはなかろう 最早私には
天地の終わりの過ぎし日も この星堕ちず
揺籃の中 私に応える 創造物は
私が死するとも 神よりも永く
知性の限り 遺ろう不動の 隠れ家
恐れる事が あらんとすれば それは退廃
ただ願うただけでは 届かぬ星は
収束に耐えれず 進むだろうか 死の淵へ
ならば 嗚呼ならば
神よ 奪い給え この命まで 与えたまえ
この星が星として 消え得ぬならば
私が連れゆこう 黄土の下の その国を
星を祭るため 羅闍の首すら 挿げ替えて
私が作ろう その星の為だけの 夜方国を
神よ 祝福したまえ 憐れなる我らを
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叙情詩「エゴ・エリスⅡ」