もしインターネットに出会ってなかったら
こたきひろし
もしインターネットに出会ってなかったら
詩を書いてなかった
と
私はそう思う
私はけして詩を愛してなんかいないと思う
ただ強く自分にこだわっていたいだけ
私は有名と呼ばれる詩人の有名な作品をほとんど好きじゃなかった
て言うか
読まなかったな
興味もわかなかったな
それより日の当たらない無名な人の
作品が好きだったな
埋もれている才能に引かれたな
それは自分も埋もれている才能なんだと
思いたかったからさ
慰めてあげたかったからさ
私はけして詩を愛してなんかいないよ
ただ自己表現の方法として詩を道具にしているだけだよ
扱いやすい道具になってくれそうだったから
もしインターネットがなかったら
誰にも知られないように
ノートに詩を書いてなんかいなかったな
私はけして詩を愛してなんかいないんだ
ただただ
インターネットに自分の足跡と手形を
遺したいだけ
いけないかな
動機が不純かな
もしインターネットがなかったら
詩を書いて投稿してなかったな
ただただ何かを
自分の持っている自分を
表現させて貰いたいだけなんだよ