君は乗り捨てた自転車だ。
杏っ子
深夜のマクドナルド。真夜中の高速バスを待つ場所が見つからない。駅から離れたマクドナルドしかなかった。しかし、時間になってもタクシーがつかまらない。駅までの道は暗く長い、人気がない。さて私はどうしたか。鍵指したまんまの自転車で駅まで走り抜けた。そして交番の前にチャリ乗り捨てた。やばいよ。あんな自分のことしか考えない男とその後、1年も付き合ったのだから、本当に馬鹿。あまりに大切に思われていないことの象徴としてのピンチのダイナミズム。それなのになぜその関係にしがみつくのだ。将来なんて何もないのに。
お好み焼き屋で、それは難波大阪駅地下街のお好み焼き屋で、派遣の契約が切れると宣言した時から顔色が青ざめ、決して私に奢ろうとはしなかった恐ろしく単純明快な、だからこそ残酷な態度のあからさまな豹変を彼への評価として素直に受け止めないことで起こる災いの数々を積み重ねた結果、起きた災い に次ぐ 災いの担架を切って、燃え盛る炎のじたばたの中で繰り広げられる遠距離恋愛の新幹線のホームでこぼしたコーヒーに染まる白いタイトスカートを、買い替えるのにも費用がいるのに、買い替えてほしいだなんて、あいつ何様。
そんなおくず様にいつまでも執着している私がそもそもくず女。