水蜜桃の夢
青色銀河団

土手沿いの夕焼け小焼けの帰り道
君の口笛をきいていた




さみしいと死んじゃうウサギに向けて
滅びの笛を吹きつづける夜




初めてきみとキスをした
ゴッドファーザーのクラクション聞こえし夜




ひとつぶの少女の涙の海原を
航海たびする船が夕日をめざす




風信子ヒアシンス水中で何も掴めず生きてゆく
僕らの夢に似て




少女の想ひ出のごとき赤き風船
夏空に吸ひ込まれゆきぬ




夢の中に青いキリンが住んでいて
僕のコートをずぶ濡れにする




宿題を閉じると夜がやって来た
森でフクロウが動き出す頃



短歌 水蜜桃の夢 Copyright 青色銀河団 2020-06-04 19:43:00
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