うたき
鳴神夭花
歩いては振り返る
其処に本当に道があるのか
あったのか
確かめるように
本当はそんなことをしなくても
良いと分かっているのに
それでも遣って来る朝から
目を逸らすように
足跡(そくせき)は消えていく
踏み固められたものではない
波がさらうような
そんな方角を目指して
いたような
気が
し
て
人間は変化するいきものだ
それがどんなものであろうとも
正しくとも愚かであることはある
誤りでも心あることはある
裁定を
下すのはわたしたちだ
歩いてきた一本の道を振り返るわたしたちだ
変化を確認するために
わたしたちは振り返る
進むべき方角を
定めるために
波が鳴っている
きっと未来に風は吹いている