たがら何と
こたきひろし

気づいたら
こうしてインターネットの宇宙に
言葉を蝶々の折り紙にして
息を吹きかけて飛ばしている
私がいた

だけど
表現の自由が無限に与えられてるなんて
あり得ない

けして
自制心を失わない為に
ハンドルネームは本名を平仮名にしてきた

でもね
ついに、行き詰まり
投稿する事に
意味を感じなくなってしまった

まっさらになってしまった

たとえて言うなら
いちめんの蒼い空になってしまった
雲が何処にも見当たらない

剃刀みたいに研ぎ澄まされてしまった

私はずっとずっと可哀想な人間で
その憐れさを癒やす為に書く事を必要としてきた
ような気がする

私の吐いてきた息が
泥だらけの魂が
ひたすら生きてきた命が

今では
砂漠の蜃気楼になってしまった
たしかに
表現の自由は与えられてはいるけれど

私の表現なんて
虚しい限りなのだ

限りない虚しさの広がる
荒野の風にも値しない
のだ




自由詩 たがら何と Copyright こたきひろし 2020-05-31 23:03:43
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