天才
ミナト 螢

夜は錯覚してしまうな
眠りたくない気持ちを差し出して
手に入れた特別な力が
割れたコップみたいに
絶望の淵で生きている
誰かに認められる日までは
いっぱい泣いても良いんだよ
みんなが最終回のドラマを見る間に
破れたクッションを
縫うように前を進みたい
ズルくてお腹が空いて
人に合わす顔がない気がした
さよならを狂わせて
美しい音にしよう
明るくて楽しい世界に
仕返しをしにいくから
閃いて閉じない傘と
このまま一緒にダイブするつもり


自由詩 天才 Copyright ミナト 螢 2020-05-25 14:40:21
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