ミナト 螢

ためらいと傷が息を潜める
歯を白くしようと林檎を齧り
晴れた空にさらわれた声が
天使みたいだねと笑ったこと
勝ち負けじゃなくなる日まで
あとどのくらい揺れるの
ぶら下げたネックレスが
うなずく分だけ悩んだら
歩くスピードを変えなきゃならない
一文字の中で出会えるように
不思議と視野が広くなるだろう
短いスカートに吹く風が
草を倒して景色と並んだ
電球の付く前の街路樹に
君を絡ませて光を放つ
この時間に目を隠した人が
幸せになれば良いと思った


自由詩Copyright ミナト 螢 2020-05-21 13:20:21
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