海の不思議
ミナト 螢

裸足で砂浜に立つと
指先が消えちゃうから
どこか遠い所へ来たみたいだ
何も掴まずに何も拒まずに
水平線の向こうでも
似たような世界が続く気がする
海にはポストがないままでも
空の声は届くのだろうか
喧嘩もせずに別れた青と
本当は見えない場所で
暮らしているのに
確かめようもなくて
指先を伸ばした
海の温度は空と同じだった


自由詩 海の不思議 Copyright ミナト 螢 2020-05-19 16:20:07
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