過ぎて去りし日々を
こたきひろし

過ぎて去った日々を
ふと立ち止まり振り返る事は誰にでも起こる

そこに見えた四つの苦しみ
そこにあった八つの苦しみ

愛情もあれば
憎しみも存在した

快楽も有れば
激しい痛みもあった

エゴイズムも有れば
慈愛をあわせ持ってもいた

人間だから
人間ゆえに

日々の暮らしの中に起こる躓き

充たされなかった欲望
日々の食卓の上の食べ残しと
食べこぼし

贅沢な美食と
冴えない粗食

ふと立ち止まり過ぎて去った日々を振り返る事は誰にでも起こる

そこにわきあがる懐かしさ
そこに沈み込んでいる悲痛

忘れる事で救われた悪しき過去
夢は桃色に掛かる幻の橋だった

過ぎて去った日々を振り返る事は誰にでも起こる

それは今が幸せに包まれているからか
それとも不幸の底で苦しみあえいでいるせいか

過ぎて去った日々を振り返る事は誰にでも起こるけれど
その原因と理由は人それぞれ
人さまざま

だからいいのさ
だからいいんだよ

この旅の終わりは
誰も想像つかない

何の前触れもなくいきなりかもしれないんだ
それともゆっくりとじわじわと迫って来るかもわからない

すべては人それぞれで
人さまざまだから


自由詩 過ぎて去りし日々を Copyright こたきひろし 2020-05-17 05:49:35
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